台湾:飯店・酒店・旅館・旅社(ホテル・民宿)
last update : 2023/06/19
「飯店」や「酒店」はホテルを意味し、飲食店やバーの事ではない。
大飯店だと大規模だったり高グレードなホテルを指す場合が多い。
酒店は台湾以外の外資系のホテルが多い。
青年旅社はユースホステル(YH)を指す。商務旅館(商旅)、商務飯店はビジネスホテルを指し、設備面も日本のものに近い。
地方の観光地になると民宿、○○山荘や○○之家という名称も見かける。
旅社、○○房といった名称の施設はドミトリーやゲストハウスである場合が多い。
設備
基本的にシャンプー、コンディショナー、ボディーソープが備え付けてあるか、小パックのものがアメニティとして提供されていることもある。
台湾では水道水を飲用とする習慣がないのでアメニティとしてボトルウォーターが提供されることが多い。ない場合はウォーターサーバー等が施設内のどこかに設置されている。
また、無料Wi-Fiはどの施設でも提供しているが、客室の位置が建物の端だったりすると繋がりにくいケースも少なくない。
SSIDやパスワードはチェックイン時に説明があるか、フロントや室内などに案内が掲示されている。
料金相場
ドミトリーやゲストハウスの相部屋は500~700元が主流、中には300元を切るものもあるが、給湯設備が安定しなかったり、水回りが劣化していたりと何かしら大きなデメリットを伴うものが多い。
最近はシングルルームを謳うものが増えてきたが、仕切りがあるだけだったり、カプセルルームのようなものだったりと個室とは言い難いものも多い。
そのため個室となるとダブルルームが基本となる事が多い。
安い部屋だと700元くらいからあるが不便な立地だったり、モーテル等に近い形態ものが多い。
日本のビジネスホテルのような宿泊施設は検索サイトのバーゲンを除けば最低でも1000元、1200~1500元程度が相場と言える。
ドミトリーの場合
台湾の宿泊施設にはシングルルームはほとんどなく(最近はカプセルタイプのようなものが増えつつはあるが)、個室となるとダブルルームを一人で使うことになるケースが多いため割高感がある。
そのため宿泊費を節約しようとなるとドミトリーを利用する必要がある。
アメニティはウォーターサーバーが設置されていない場合はボトルウォーター、シャンプー類が浴室に備え付けられていない場合は小分けパックものが提供される程度。
バスタオル等もないか有料なのであらかじめ持参するかチェックイン前に調達する必要がある。
キッチン設備は無料で利用可能なことが多い。飲料や菓子、カップ麺を販売していることもあるが無人販売(貯金箱にお金を入れて)なことも多い。
Wi-Fiもほとんどの施設で利用可能だが家庭用回線に市販の無線ルーターを取り付けただけのもののことが多いので宿泊人数が多かったり、帯域を圧迫するような使い方をする利用者がいるとまともに通信できないこともよくある。また、建物の奥の部屋だと携帯電話の電波が届かないケースも都市部だと多い。
また、ドミトリーはチェックイン締切時間が21:00~22:00、早いと20:00と設定されていることが多いのである程度時間に余裕を見ておくこと。連絡を入れれば遅れても受け入れてもらえることも多い。
ちなみに早朝でオーナー不在時にチェックアウトをする場合はカウンターにルームキー入れがあるので、そこにキーを返却してチェックアウトとなるシステムを採用している場合もある。
安宿利用上の注意点
安いドミトリー(おおむね400元未満)の例
この手の安宿の立地は雑居ビルだったり、住居を改装したものが多く、看板すら無く表札や郵便受けを見ないと分からない施設も多いので、台湾の住所形態を頭に入れておかないと街中や住宅街をさまよう羽目になる。
ただ、このような施設はオープンからしばらくは良いが、1~2年くらいすると急激に設備の老朽化が進み、水回りが汚く、酷い時はトコジラミ(南京虫)が発生なんてことも珍しくない。
このような安宿は設備の補修やメンテナンスを怠っていることが非常に多く、経年劣化の進みも早い。
安かろう悪かろうで済まないケースもあるので、予約サイトの評価やコメントは機械翻訳を通してでもある程度目を通しておくべき。
筆者がよく利用するBooking.comの場合、評価が8を下回っているものは何かしらの問題を抱えていることが多く、7.5以下は非常に大きな問題がある施設の傾向があるように感じる。
(2023年現在は全体的に評価が落ちている傾向があり、筆者個人のセーフラインは7.5くらいと考えている)
安い個室
前述のドミトリーなどにシングルルームやダブルルームや個室が併設されているケース。
こういったのはトイレやシャワールームが共用だったりすることが多い。
こういった部屋は安いと500元くらいからあり、700~1000元が相場になるだろうか。
安い商務旅館(ビジネスホテル)の例
予約サイトで個室を値段でソートすると商務旅館が引っかかることはよくある。中には400元台などドミトリーより安いことすらある。
この手の安い商務旅館は台南や高雄に多く、設備が古いという点と衛生面は人にもよるがまだ何とかなるレベルではあるものの、室内や設備の老朽化が進んでいることが多い。(ドアの建て付けが悪いなど)
最近はツインルーム(雙人房)の切り売り、要は2人部屋のドミトリールームとして販売しているケースが増えている。
流石に男女別にはなってはいるものの、プライバシー面で厳しく感じる人は多いだろう。
実際にこの売り方をしている宿泊施設の評価は低いことが多い。
無認可宿泊施設について
特に台北や高雄ではドミトリーがそこら中にあるが、旅館業や民宿の認可を受けていないものも少なくない。
また南投・屏東・花蓮・台東・澎湖・金門・連江(馬祖)といった自然景観の観光スポットが多い地域は無認可の民宿が非常に多い。
このような施設は領収書を発行しないことが多く、要求するとレストラン代やガイド代として発行してくることがある(名目上は知人を善意で泊めているとしているため)。
当然消防設備や避難経路の案内や確保もされていないことが多く、火災等に巻き込まれても最悪旅行保険が適用されない可能性がある。
さらにオーナーが不在がちでチェックイン時間が極端に短い、住宅街のど真ん中に位置し看板も掲げていないことも多いので探すのが大変、という慣れない地域で遭遇すると泣きたくなるような要素がもれなく付いてくる。
また、困ったことにExpedia.co.jpやHotels.comなどの宿泊サイトはこういった施設が当たり前のように引っかかってくるので判別が困難。
なお、Booking.comやAgodaは無認可の施設はあまり引っかからない傾向にあるが、最近怪しいものが紛れている傾向あり。
なお、届け出を行っていない民宿等は政府が積極的に摘発に乗り出しているので、予約して実際に行ったら宿泊場所がなくなっていたという事態も有りうる(流石に宿泊中に追い出されることはないはずだが…)
台湾では旅館業又は民宿の営業認可を受けていない宿泊施設の営業は認められておらず、いわゆる民泊は法令違反となり、Airbnbなどの民泊アプリを利用する際は注意が必要。
また、日本人宿とは謳っているものは無認可のものが非常に多いため注意が必要(台北や高雄に多い)。
宿泊サイトに登録がなくWebサイト、Facebook、LINE等からのみ募集して、住所を掲載していない悪質なケースもある(大雑把な位置だけを掲示して、予約時に経路を連絡しているようだ)
筆者が確認できている認可がある日本人宿は以下の通り(日系チェーンの宿泊施設は除く)
台北市
斯格加旅店(4Plus Hostel)
https://4plus-hostel.com/
臺灣旅宿網:https://www.taiwanstay.net.tw/room/16549
新北市
九份小町民宿
http://www.komachi-tw.com/jp-index.html
臺灣旅宿網:https://www.taiwanstay.net.tw/room/4834
台南市
哈木家(はむ家)
https://hamuguesthouse.com/
臺灣旅宿網:https://www.taiwanstay.net.tw/room/9249
高雄市
鴨家青年旅館/六合社中鴨家青年旅館(あひる家)
https://ahiruyah.com/
臺灣旅宿網:https://www.taiwanstay.net.tw/room/6250
南投縣
埔里背包客之家(ゲストハウス・プリ)
http://www.guesthousepuli.com/
臺灣旅宿網:https://www.taiwanstay.net.tw/room/25978
花蓮縣
馨憶精緻民宿(しんいせいち民宿)
http://shinyi.net/
臺灣旅宿網:https://www.taiwanstay.net.tw/room/11467
合法旅館標識及登記證
判別方法としては下記リンクの台湾政府観光局のサイト、もしくは臺北市政府觀光傳播局などの公的機関のサイトにホテル検索で住所を打ち込むことで確認できる(ホテル名だと字体の違いなどで引っかからないことが多い)。瘋台灣民宿 という民宿検索サイトも合法編號の記載がある。
臺灣旅宿網
https://taiwanstay.net.tw/
※台湾政府観光局による宿泊施設検索
臺北旅遊網
https://www.travel.taipei/zh-tw
※台北市政府観光傳播局による宿泊施設検索
瘋台灣民宿網
https://www.fun-taiwan.com
施設の入口やフロントに 掲示されている認可証。 〇〇市旅館000 〇〇縣政府編號000
という番号が振られる。合法編號や旅館編號、 民宿編號とも呼ばれる。
発行時期によって色やデザインが異なる場合もある。
↑フロント奥に旅館標識と登記證があるケース
旅館專用標識及登記證 – 交通部觀光局行政資訊系統
https://admin.taiwan.net.tw/BusinessInfo/TourismIndustry/Lusuye/HotelIndustry/HotelIndustryMark2.htm
民宿專用標識及登記證 – 交通部觀光局行政資訊系統
https://admin.taiwan.net.tw/BusinessInfo/TourismIndustry/Lusuye/Minsu/MinsuIndustryMark.htm
地域によっては標章が異なる場合もある
(↓は連江縣の場合)
2023/6/19:連江縣の標章を追加
2022/7/5:全体的に微修正
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